みなさん、こんにちは。
普段何気なく使っているものや触れていたものに、実はAIの技術が使われていたーー
なんてこと、意外とありますよね。
今回から全4回にわたり、AI活用事例を100連発でご紹介します。
もしかしたら「これがAIの技術だったなんて、知らなかった!」という事例が登場するかもしれません。
ぜひ自身のビジネスに活かすための参考情報にしてみてください!
製造業
01 オークマ / NEC
- 工作機械が自動的にドリル加工の診断を行うOSP-AI加工診断を開発
- 深層学習を活用しドリル加工の異常検知と工具摩耗を即時に可視化
- ドリルと加工物の破損防止、ドリル交換の最適化により工具費を削減
- NECとの共同開発、NEC the WISEのRAPID機械学習技術を活用
02 片岡製作所
- 液晶生産で生じる不具合を修復するAIを開発、2019中の提供開始を発表
- 生産工程でのごみ混入などで、液晶の一部の画素に消灯不能が発生する
- 従来は目視検査していたが、AI で読み取りレーザーで修復できるように
- 同社の IPS細胞の培養時の不要な細胞の除去装置技術を応用
03 YE DIGITAL
- 目視検査の自動化支援の AI 画像判定システム MMEye を提供
- クラウドで学習した AI の画像判定で異常検知や物体検知、分類が可能に
- 学習データが正常画像のみでも、異常や不具合を判定可能
- 同社のAI技術 Paradigm を搭載
04 六花亭製菓 / IMV / NTTテクノクロス
- 六花亭製菓 (六花の森工場) のオーブンのモータ / ファンに振動センサを設置
- データを AI 学習させ設備機械の故障の予兆検知の実証実験を実施
- 振動分析は IMV / NTT テクノクロス 開発 ラムダバイブロ分析パッケージ
- AI はオープンソースのリアルタイム分散機械学習基盤 Jubatus
- 人力の点検削減、予兆検知精度の均一化、設備故障削減が目的
05 明電舎 / 北海道大学
- AI + トポロジー最適化による EV モーター の設計支援プログラムを開発
- トポロジー最適化手法を基に、材料分布と評価値 / 特性の関係を学習に使用
- 従来、経験や模擬実験を基にローター内の磁石や空隙形状を設計
- AI で EV モーターの最適なローター形状の自動探索 / 設計が可能に
06 サントリー食品インターナショナル / 日立製作所
- 飲料等の生産工場の最適な生産計画を自動立案するシステムを開発
- 制約条件や依頼値などのデータを基に、AI システムが最適解を算出
- 平均約40時間/週かけ複数の熟練者が諸要件から立案→ 約1時間で自動立案
- 離れた複数工場の生産体制を考慮し、国内全体での生産最適化を実現
07 キューピー
- 画像解析によって変色、変形などがみられる不良品を発見
- 原料検査装置を導入し、作業工数が3分の1へ削減
08 三菱電機
- 映像認識で工場作業者の、作業ミスや無駄を素早く解析するシステムを開発
- 像解析技術を組み合わせ、分析にかかる時間を同社従来比で10分の1に短縮
09 サッポロビール
- AI技術を活用した商品需給計画システムである「Supply Chain Planning」を導入
- 市場の要求を先に捉える計画主導型業務にシフトし、在庫を適正化
- ロジスティクスを起点とした需給調整により輸送を平準化
- データ収集・加工・可視化等の自動化による、意思決定を高度化業務への切り替え
- グループ共通システム構築によるシステム投資の効率性向上
自動車産業
10 トヨタ自動車
- モビリティサービス・プラットフォーム (MSPF) の構築
- MaaS 事業専用次世代 EV e-Palette を展開
11 日産自動車
- 2019年5月に運転支援システム プロパイロット 2.0 を発表
12 Tier IV (ティアフォー。名古屋大学発ベンチャー)
- 名古屋大学 / 長崎大学 / 産総研 等とオープンソース自動運転ソフト Autoware を共同開発
- 自動運転 AI 学習用画像 & 3次元点群データラベリングツール Automan Tools も無償公開
13 本田技術研究所
- CAE 構造解析前の歩行者保護性能の判定 AI を開発しボンネット設計効率化
- 学習データにボンネットの外板とフレームの2D画像を使用
- 学習モデルの実装に Google TensorFlow を採用
- 歩行者の頭部損害値の算出を 40時間/機種 → 10秒程度に短縮
14 東洋シート
- 座席の製品検査にシワや汚れなど欠陥特徴を学習した画像処理 AI を実験導入
- カメラ3台で撮影した製品画像からキズや汚れなどの欠陥を検出
- 現状は、 検査員と AI の判定の一致確率は4割ほど
- 精度を約9割まで引き上げ2019年中に本格導入し検査工程の効率化を目指す
15 マツダ
- カムシャフト (鋳造部品) 外観検査 (不良品検出) で深層学習の実証実験を実施
- カムシャフトを撮影し、深層学習システムで画像を判定し不良品を検出
- 学習にカムシャフト検査画像 5667枚 = 良品 5500 + 不良品 167 を使用
- シーイーシーの画像検査システム Wiselmaging を使用
16 Waymo (Google の一部門。人が関与しない完全自動運転車の開発を進める) (米国)
- 2018年末に世界初の自動運転による配車アプリ Waymo One を発表
- 2019年3月に開発したセンサーの一部を、自動運転分野以外の企業に提供すると発表
17 Bidu ほか数社(中国)
- 2015年 政府の『中国製造 2025』は、2030年に自動運転レベル 4 – 5 の新車搭載率 10% を目標
18 連邦経済エネルギー省の主導でプロジェクト Pegasus を産官学共同で推進(ドイツ)
- 自動運転に係る安全性の評価フレームワークの定義が目的
インフラ
19 東急テクノシステム
- 池上線 雪が谷大塚 踏切で「踏切映像伝送システム」7ヶ月間の実証実験
- AI 映像解析システムが2台の監視カメラで踏切内の異常を検知
- 付近を走る電車の運転士や運行管理者に警告と映像の2秒以内の伝送が目標
- フュ ーチャースタンダードの AI 映像解析器 SCORER を活用
20 テクノスデータ サイエンス・工ンジニアリング
- 社会インフラの劣化検知ソリュー ション scorobo for Infrastructure を提供
- 橋梁 / 道路 / コンクリート建造物の画像映像から深層学習で劣化部を自動検知
- 点検基準の均一化や非構造化データの集約にも貢献
- 自動学習機能を持つ同社の AI エンジン scorobo を活用
21 産業技術総合研究所 / NEC
- 社会インフラの安定運用を支援するAI技術 論理思考 Al を3者共同で開発
- マニュアル / 設計仕様などから最適なリカバリープランを絞り込んで学習
- 規定範囲で修復計画を探索する制約で学習し、異質な2値の紐づけを可能に
- 最適性の根拠提示で経験が浅くても妥当性判断ができ、早期復旧に貢献
22 NTT コムウェア
- 通信設備などの保守点検業務にドローンや AI などのソリューションを提供
- インフラ設備の劣化診断は熟練技術者の経験やノウハウに頼る部分が大きい
- 点検作業は高所 / 閉所作業を伴い危険との課題が生じていた
- 深層学習の同社の画像認識 AI Deeptector で不具合箇所の検知解析が可能に
- サビ / 剥がれ等の不具合の種類 / 劣化度を付与した空撮画像が教師データ
23 東海旅客鉄道
- 在来線通勤型電車「315系」の冷房機能に、AIによる自動学習・制御最適化機能を国内初導入
- 全車両の車上データを地上のサーバへ送信し、サーバ内のAIで最適化した冷房制御を実施
- 車両の動作状態を車両基地等へ常時送信し、故障の予兆段階で未然に故障を防止
24 商船三井
- 自動車運搬船の配船計画と貨物積み付け計画の策定に、AI基盤技術の活用を開始
- 「数理最適化」を活用することで、効率的に計画案を求めるアルゴリズムを開発
- 従来よりも短時間で自動車運搬船の配船計画と貨物積付計画を策定することが可能に
農業
25 オプティム 長崎県五島市
- ドローンによる農地作付け確認業務支援の実証事業を実施
- 作付けから数週 – 数ヶ月後の状況を固定翼機 OPTIM Hawk で撮影
- 空撮画像を解析し作付け精度の判別を対象農地区画ごとに行う
- 従来は人が現地で作物の作付け情報を判別 / 記録していた
26 Happy Quality / サンファーム中山 / 静岡大学
- 灌水制御 AI で中玉トマト栽培の実証実験を三者共同で実施
- 画像から葉のしおれの動きに関係する特徴量を深層学習で抽出
- センサで集めた温度 / 湿度 / 明るさ等の環境情報も入力し学習
- トマトのしおれ具合や数時間後の状態が自動的に推定可能に
- 従来トマト栽培は撤密な灌水制御を要し、熱練した技術が必要だった
27 JA全農えひめ
- みかんの腐敗・病気箇所の判別 AI の開発
- 良 / 不良のみかん写真 3.000枚以上を3万枚にデータ拡張しデータベース化
- みかんを撮影し病気部位を表示する GPUを 搭載パソコンでシステムを構築
- 従来みかんの腐敗・病気箇所の判別を各農家が出荷前に人力で行っていた
28 InFarm (ドイツ)
- 農場の空撮を識別し必要部だけトラクターが除草剤散布する仕組みを構築
- 草剤の散布の最適化し除草剤費を低減
29 CropIn (インド)
- 衛星画像と機械学習の収量予測ソリューション SmartRisk を提供
- 衛星画像で作物と面積分布の検出を行い、収穫前に作物の収穫量を予測
- 生育状態 / 天候 / 地域農場の作物収量指数を機械学習で分析
30 Octinion (ベルギー)
- 自律型いちご狩りロボット Rubion の開発を発表
- 機体内蔵の品質検査を活用し熟したいちごを検出、アームで摘み取る
- 品質監視システムにより選別 / 作物監視 / 精密作業を可能に
31 The Climate Corporation (米国)
次回は医療系・防災・防犯・エネルギー・教育業界のAI事例をご紹介します。