【海外AI活用事例】AIで林業改革!? フィンランドのケース

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こんにちは、アイデミーの佐藤です!

前回はドイツの詐欺防止AIについてお伝えしましたが、今回は林業大国フィンランドのAI活用事例についてご紹介いたします!

フィンランドの林業におけるAI活用

農業でのAI活用はだんだんメジャーになってきましたが、フィンランドの主要産業の一つである林業は、農業より関与する自然要素が多く、管理すべき面積もとても広大です。実はこの林業においてもAIが導入され始めています。

森林資源の豊富なフィンランド
写真ACより)

フィンランドは国土のおよそ2/3が森林に覆われ、輸出の約20%を木材製品が占める林業大国です。そして、未だ人の手がつけられていない森林も多く存在します。

一口に林業と言っても、樹木の種類や土地の検査など仕事は多岐に渡り、その管理は容易ではありません。そこで、少しでも林業の効率をあげようとAI活用に乗り出したのがフィンランドのスタートアップ CollectiveCrunchです!

2016年に創業したCollectiveCrunchは、Linda Forestという人工知能システムを開発し林業の効率化を行いました。

Linda Forestは、地理情報システム(GIS)にもとづいて過去の気候や土地の分類、衛星から見た画像など様々な要素を層状に集計して解析し、その後の樹木の成長や土地の状況を予測するシステムです。CollectiveCrunchでは、顧客にこのAI技術を提供し、膨大な森林情報を活用しやすい形に整理できるようにしています。

Linda Forestの構成イメージ
CollectiveCrunchより)

政府や欧州宇宙機関と連携し、着実に活動を拡大中

2020年1月には、CollectiveCranchはフィンランド農林省官営企業(Metsähallitus)との新たな連携を開始しました。最新の森林情報を集めAIの精度をさらに高めていくことを目標とし、いつかは完全にAIによって林業を制御することも可能になるとしています。

CollectiveCranchのシステムは、すでにフィンランドの約3000㎢(30万ha)もの地域で試験的に導入されています。試験導入期間中にも、木材の品質調査や最適な伐採時期の提案などに使われてきました。

まだ実証段階ではありますが、さらに実用的な活用を目指して現在も開発を続けています。

2020年3月には、さらに約100万ユーロ(約1億2000万円)を投じた大規模事業に取り組むことを発表しました。その約半分の資金は欧州宇宙機関(The European Space Agency)が出資するなど、スウェーデン以外でも大きな注目と支持を集める活動となってきています。CollectiveCranchによれば、ノルウェーやバルト諸国、ヨーロッパ、ロシア、アメリカなどにも顧客層が広がっています。

人手不足の深刻な日本でもAI活用が求められる分野に!

林業に改革を必要としているのは、北欧の国々だけではありません。近年日本の林業界では、後継者不足や安価な海外製品との競合などの問題が多く見受けられます。今後日本の林業分野でのAI活用もさらに進んでいくかもしれませんね。

今回は、海外のAI活用事例としてフィンランドの林業を取り上げました。今後も様々な活用事例をご紹介していく予定ですので、引き続きAidemy Blogのチェックをよろしくお願いします!

最後までご覧いただきありがとうございました。

【参考】

森林総合研究所樹木育種センター フィンランドの林業と林木育種

CollectiveCranch HP

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