【活用法】医療現場やコールセンターでも!AIを利用した離職防止

皆さんこんにちは、アイデミーの佐藤です。
今回は、AIを活用して従業員の離職を未然に防ぐ取り組みについての話題をお届けします。

早期離職が大きな問題に

近年、様々な企業で早期離職への対策が採られ始めました。
厚生労働省の調査によれば、平成29年3月の新規大卒就職者の就職後3年以内の離職率はなんと32.8%にものぼります。
企業にとって、採用や研修に時間をかけた社員が早々に離職してしまうのは、決して望ましいことではありません。

そこで、ここからは離職対策に関する事例を2つご紹介します。

医療・介護の現場で「隠れ退職リスク」を発見

まずは、医療や介護の分野で派遣事業などを行う株式会社ソラストの事例です。

同社では以前から新入社員などに対し年7回の面談を行っていましたが、膨大な面談記録を人力でレビューする作業には限界がありました。そこで同社は、AIソリューションを提供する株式会社FRONTEOの「KIBIT」を導入。

これまでの面談で作成していたコミュニケーションシートのコメントや面談記録をKIBITで解析したところ、早期離職リスクの高い社員の特定や、追加のフォローがいち早く可能になり、離職率の大幅な減少に成功しました。

現場で明るく振る舞い実績を挙げていた社員であっても、フォローが必要であるという解析結果となったケースでは、その後の面談で、実はプライベートで問題を抱えていたことがわかり、柔軟な勤務方法を提案することで離職を防げたそうです。

人力では対応しきれなかった離職対策を、AIの導入でより効率的かつ高い精度で行うことができた事例でした。

株式会社FRONTEO 「KIBIT導入事例 株式会社ソラスト」 より

コールセンターで離職率の半減に成功

次にご紹介するのは、ITアウトソーシングサービスを展開するトランスコスモス株式会社が実施した、コールセンターでの業務改善事例です。

退職予測モデルを制作するには、勤怠データ以外にも様々なデータが必要です。

しかし、各種の情報が紙媒体に記録されていたり、事業所によって記録項目が異なっていたりするなど、AIの学習データを準備するのは簡単なことではありません。

それでも同社は、オペレーターの属性やパフォーマンスを収集してデータ化し、予測モデルを構築。毎月、スコアの高い退職予備軍をリスト化し、退職理由をレポーティングしました。

それだけではなく、退職予備軍との面談を設定するなど事前のケアを行うことで、最終的に離職率を約半分まで減少させることができました。

ITmedia より

出典:ITmedia 「コールセンターの退職予備軍をAIで予測し、半年で離職者を半分にできた理由」 (※会員限定箇所あり。本メルマガには会員限定部分の内容は含まれていません)

今回ご紹介した2つの事例では、AIによる分析とその後のアナログなケアを両立することによって、効果的な離職予防に成功しています。

企業での課題は複雑なものが多く、人力だけ、AIだけでは解決できないものも少なくありません。
そんな時はAI技術を活用した上で、人の手を加えて解決できることがあるかもしれません。
コールセンターの事例では、実際のオペレーターのデータを教師データとしてAIに学習させています。

このような活用に興味のある方は、ぜひAidemy Premium Planの「データ分析コース」をご覧ください!
データの自動取得(スクレイピング)、機械学習、時系列解析等を学ぶことができます。

参考:
厚生労働省 「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)を公表します」

*こちらの記事は、8月27日に送信されたメルマガの内容を含みます。

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